こんにちは、前原です。今回のテーマは今まで実際見聞きした事例をお話したいと思います。あなたが経営、運営されているステーションが該当していないか振り返ってみてください。■ケース1 経営者と現場スタッフの対立これは、訪問看護・訪問介護に限らずどの会社にもよくある話ですが、訪問看護・訪問介護もこのケースに陥っているところは多いです。理由をあげていくとキリがないのですが、経営者や幹部と現場スタッフとでは経営観や看護・リハ観への温度差がある訳です。当たり前と言えば当たり前のことなんです。●経営者は会社の成長・発展を実行・決断するプロフェッショナル●看護師は看護のプロフェッショナル●理学療法士は理学療法のプロフェッショナル●作業療法士は作業療法のプロフェッショナル●言語聴覚士は言語聴覚のプロフェッショナル各々、専門分野、いわゆる畑が違うわけですから一緒のマインドになるのは非常に難しい。ですが、ステーションや事業所の方向性、共通の目標地点を持つことでお互いがリスペクトできる環境を築くことができます。この環境を築けばステーションや事業所に一体感が生まれ運営も一気に良くなり改善できます。なので、お互いがプロフェッショナルだというリスペクトをしなければ、現場スタッフがクーデターを起こし退職したりしてステーションが廃業・休止することになります。勿論、看護やリハビリにこだわり過ぎて売上を度外視すると、これもステーションが廃業・休止することになります。■ケース2 管理者と現場スタッフの対立対立構造として経営者と現場スタッフという状況を思い浮かぶ人も多いと思いますが、管理者と現場スタッフが対立することも実は多いんですね。特に管理者に多いのが完璧主義マインドを持たれている人ですね。確かに現場(訪問)では医療事故が起きないように完璧主義なのはいいのですが、事務作業やその他諸々の業務でも完璧主義を新人看護師に振りかざして追い込んでしまう、よって新人が定着しないという結果になってしまうわけです。経営者からしても人材紹介会社を通して採用した新人が潰されるわけですから、はらわた煮えくりかえる思いですよね。1人の看護師を採用するのに80~160万ぐらいのコストを掛けて投資しているので揉め事になって最悪、クーデターや退職の原因になります。■ケース3 顧問料ボッタくりコンサルタントを入れて揉める私もこれに該当しないよう日々、自分を律してクライアントに向かい合っているのですが、この話もよく聞きます。というのも私に相談に来られるオーナー様、経営者様の多くはこのケースに該当するんですよね。月1回、コンサルタントが訪問してアドバイスしてもらい顧問料10~30万を支払うとか、コンサルに入ったのにステーションの現状についてのレポートを頂けないとか、ネットで落ちてるような情報をぺらぺらっと喋って終わりとか、とにかくいい話を聞きません。同じコンサルタントとして恥ずかしいですし虚しいですね。でも一番悲しいと思っているのは現場スタッフで、経営者がそんな状況になっているのを目の前にすると私達の訪問で積み立てた売上をなんでっていう心境になるわけです。売上を有効活用していない、そんなことに売上を使うなら私達の待遇を良くしてという流れで揉めるということはよく聞きますし、実際見ています。なのでコンサルタント選びは慎重になられた方がいいですね。スタッフの離職に繋がります。■ケース4 オーナー・経営者が看護師・療法士・ヘルパーではないこれも良くある話ですね。オーナー・経営者が看護師・療法士・ヘルパーではないので、現場を知らないからダメだよねと言っている管理者、現場スタッフを良く見ます。確かに勉強不足な経営者、現場スタッフの気持ちを考えない経営者もいます。ですが、経営者も借金や融資をしてまで運営しているわけですよ。しかも、ケース1でお話したのと同じでお互いにリスペクトが無い発言です。なので当たり前の話なのですが、オーナー・経営者は現場スタッフの気持ちに向き合う、現場スタッフの環境をよくすることに注力する。現場スタッフはオーナー・経営者のマインドを全て理解しろとは言わないが、常に決断をしてリスクを受ける、責任を取っているという立場に対してリスペクトしなければいけません。でないといつまでも信頼関係を築けず遅かれ早かれ廃業・休止。4つのケースをご紹介してきましたが、それらを防ぐには、お互いがお互いを理解しようと歩み寄る。そういった日々の行動や意識が訪問看護・訪問介護運営に重要だなと思います。そういった日々の意識を無意識レベルに向上させれば、足し算ではなく掛け算というかたちで大きな成果をもたらすことができます。訪問看護・訪問介護 集客コンサルタントストラテジックプランナー前原 扶幸