こんにちは、前原です。本記事では、実際にコンサルティングのなかで、訪問看護を運営される事業者様に対してアドバイスしている、営業チラシに関する内容になります。ゆっくりとご覧いただき、最後まで自社に当てはめながら考えていただければと思います。営業チラシとはまず営業チラシというものを定義するところからお話を始めたいと思います。この記事では、営業チラシという言葉を以下を想定して利用します。営業チラシ:A4の両面刷りのチラシ(主にステーションの雰囲気や特徴を捉えたもの)訪問看護の営業現場において、パンフレットやリーフレットが多用されますが、営業チラシはそれらとは全くの別物です。これらは、ケアマネージャーや支援センターの相談員に直接手渡されることが一般的です。しかし、ただ単に資料を配るだけでは実際の集客にはつながりません。考えてみましょう。あなたがケアマネージャーや相談員である場合、「この訪問看護ステーションに依頼しよう」と感じる要素は何でしょうか? 多くの人は、差別化が図られており、親しみやすいスタッフがいる所に依頼することを選びます。従来のアナログ手法である直接訪問やFAXでの営業が主流である中、営業チラシが大きな役割を果たします。営業チラシは新規依頼を獲得する最初のきっかけとなり得ますが、内容が薄く、印象に残らないものはただの無駄に終わってしまいます。成功する営業チラシを作成するには、単に情報を伝えるだけでなく、受け取る人に強い印象を残す内容が必要です。以降の文章で、効果的な営業チラシの作成方法について詳しく解説します。①目を惹くキャッチコピーを盛り込むまず営業チラシを作成するうえで、重要な部分は、「目を引くキャッチコピーを盛り込むこと」になります。説明書のような文章だけを並べる営業チラシを作成することも可能ですが、目を惹くキャッチコピーを盛り込むことで、しっかり読まなくても、すぐ理解してもらうことが可能になります。キャッチコピーを作成する際には、自社のコンセプトや強みを反映することが重要です。例えば、以下のようなものがあります。・土日祝日定期訪問対応!・20代~30代の優しい看護師とセラピストしかいません・あなたの在宅生活を立て直すべく伴走します・えっ!〇〇〇〇訪問看護ステーションを知らないのですか?!興味を惹かれなければ、営業チラシの意味がありませんので、必ず目を惹くキャッチコピーを盛り込んでください。また、将来的にキャッチコピーが差別化やブランディングに作用してくるので、時間をかけて、しっかりと考えることが重要です。考え方は様々ありますが、従業員はもちろん、同業他社のお知り合いなどに相談しながら、作り込むという方法もあります。②訪問スタッフ・集合写真、訪問の様子の写真を盛り込む訪問看護ステーションおよび訪問介護は、その本質において接客業であると言えます。現在、訪問看護ステーションや訪問介護の事業所が非常に多く設立されている状況の中で、差別化やブランディングを上手に行っている事業所は有利です。しかし、新しく設立された事業所では、市場での認知度がまだ低いことが一般的です。例えば、ご自宅にいる際に、〇〇急便の配達員が配達に来たとします。インターホンに配達員の姿が映らない場合、その人物が本当に配達員なのか、なりすましではないかと心配になることもあるでしょう。現代の物騒な世の中では、不安を感じることも少なくありません。この点は、営業チラシに関しても同様です。訪問スタッフの顔写真や事業所の集合写真が掲載されていない営業チラシは信頼を得ることが難しいです。写真や画像は、事業所の雰囲気やスタッフの人柄を伝えるための非常に有効な手段です。訪問スタッフが顔写真を出すことに抵抗があると、相談されることもありますが、それに対しては説明や説得をされるべきだと考えています。さらに可能であれば、今後訪問スタッフを採用する際には、雇用契約に営業チラシやホームページに顔写真を掲載することについての同意を取り付ける文言を含めることをお勧めします。もちろん、すでに勤務していて顔出しを希望しないスタッフがいる場合でも、解決策はあります。訪問スタッフの似顔絵を似顔絵師に描いてもらう、スタッフの顔が映らないように後ろ姿や横顔を撮影するなどです。また、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、マスクを着用した集合写真を撮影するのも一つの方法です。③メリットとベネフィットを盛り込む訪問看護ステーションや訪問介護の営業チラシにおいて、多くはサービスのメリットを列挙しているものの、その実際の利益やベネフィットを効果的に伝えている例は少ないです。営業チラシには、サービスのメリットだけでなく、それによってどのような具体的な利益が得られるかを明確に盛り込むことが重要です。まず、メリットとベネフィットの違いについて簡単に説明します。メリットは、そのサービスや商品の直接的な利点であり、対義語はデメリット、つまり欠点です。一方で、ベネフィットはその利点を利用することで得られる実際の利益や生活の向上を指し、対義語はロスやダメージ、即ち損失です。例えば、自動車のCMを考えてみましょう。最近のCMでは、単に車の最高速度や燃費の良さを強調するだけではなく、家族でキャンプに行く楽しみや共に過ごす時間の価値を前面に出しています。ここでのメリットは車の性能、ベネフィットはそれによって可能となる家族との質の高い時間です。訪問看護ステーションの営業チラシに当てはめてみると、例えば褥瘡の処置や予防、服薬管理がメリットとなります。これらのサービスによって、ご利用者様が快適に過ごせるようになることがベネフィットです。具体的には、褥瘡の処置や予防により、痛みがなく穏やかな日常を送れるようになる、服薬管理によって健康が維持され、日々の生活がより快適になるなどの利益を伝えるべきです。これらのメリットとベネフィットを明確に営業チラシで表現することで、訪問看護や訪問介護がなぜ必要なのか、将来のご利用者様がどのような願望を叶えることができるのかを具体的に示し、新規の依頼に結びつけることが可能になります。④カスタマーレビュー(ご利用者様の声)を盛り込む例えば、あなたがインターネットや店頭で買い物をする際に、他のお客様の口コミやレビューを調べることがあると思います。これは、知らない商品やサービスに対してお金を支払うのを躊躇する心理が働いているからです。この心理を踏まえて、訪問看護ステーションや訪問介護の営業チラシを作成する際には、実際のご利用者様やそのご家族からの声を直接聞いてみることが大切です。これらの声を集めて営業チラシに掲載することで、あなたの事業の品質や特徴、そして雰囲気がより明確に伝わり、非常に有効なツールとなります。ただし、注意していただきたいのは、カスタマーレビューを自ら創作してしまうことです。創作したレビューはほとんどの場合、いずれ相手に見抜かれてしまいます。一度信頼が失墜すると、そのダメージは計り知れず、最終的には事業自体を損なう可能性があります。本物の顧客の声は非常に強力な販促ツールとなりますが、誤って使用すれば自らを危険に晒すことになるため、常に真実と誠実さを大切にすることが重要です。⑤レスポンスデバイスを盛り込むレスポンスデバイスは、営業チラシにおいて非常に重要な役割を担います。これには、事業所の住所、電話番号、FAX番号、最寄り駅からのアクセスマップなどが含まれ、ご利用者様が事業所に容易に連絡を取れるようにするためのものです。一般的に、これらの情報は営業チラシの一番下や端に配置されています。特に注意していただきたいのは、新設されたばかりの訪問看護や訪問介護の場合です。これらの事業所では、まだ知名度が低く、収入も限られているため、従業員を多く雇用できず、経営者自身が現場に出ることが多くなります。このため、オフィスに人が不在になる時間が長くなることがあります。この状況では、新規依頼の電話が入ったときに誰も対応できず、留守番電話になってしまうことが頻繁にあります。その結果、電話の折り返しが遅れ、新規の依頼を逃してしまうという問題が発生します。私が勤めていた訪問介護事業所でも、実際にこのような失敗を経験しました。新規依頼を逃さないためには、代表者や担当者の携帯電話番号を営業チラシに掲載し、「多くのスタッフが外出しているため、電話が留守番電話になることがございます。その際は、代表または前原の携帯電話にご連絡いただければ、訪問後に確認次第、迅速に折り返しのお電話を差し上げます」という旨を説明する文言を加えるなどの工夫が必要です。これにより、電話にすぐに応答できない場合でも、ご利用者様に安心感を提供し、機会損失を最小限に抑えることができます。まとめここまで改めて、訪問看護における営業チラシにおいて重要な5つのポイントを説明しました。①目を惹くキャッチコピーを盛り込む②訪問スタッフ・集合写真、訪問の様子の写真を盛り込む③メリットとベネフィットを盛り込む④カスタマーレビュー(ご利用者様の声)を盛り込む⑤レスポンスデバイスを盛り込むぜひ、今すぐにあなたの訪問看護、訪問介護の営業チラシを見直して、上記ポイントを踏まえてブラッシュアップしてみて下さい。最後までご覧いただきありがとうございました。他にも様々な記事を書いておりますので、ぜひご覧ください。